夢日記

自分用

101

知らない中学校から下校しているようだ。
私の他に二人の友達と、一人分の少しよそよそしい気配が一緒にいる。
高架下の駐輪場のような場所に来ると、そこに停めてあったはずの私の自転車がなくなっていた。
この夢の中の私の自転車はこれまでもしばしばなくなってきたらしく、友達に「また?」と言われている。

友達の内の一人が「ちょっと飲み物買ってくるね」と言い、すぐそこの角を曲がってコンビニに向かって行った。
その友達の姿が見えなくなった後、もう一人の友達が突然「変なこと言っていい?」「朝起きたら自分の部屋が全然知らない場所になってたら怖いよね」と言いだす。
「怖ーい」と適当な相槌を打つと、友人は声を潜めて「実は今朝そうなってて」と言った。
思わず聞き返そうとした時、先程コンビニに向かった方の友達がただごとではない様子で走って戻ってきた。「ファミマがない!」と騒いでいる。
半信半疑で見に行ってみると本当にない。見知らぬ老舗ケーキ店に変わっている。
少しずれた世界に来てしまったようだ。

100

どこかの山奥の道路で、黒い鉄砲水がなぜか下から這い上がるように押し寄せている。
山の下にある町は既に飲み込まれてしまったようだ。
山奥は町から避難してきた人で溢れていた。

鉄砲水は意志を持っているように見え、人間を積極的に飲み込んでいた。
私を含む数十人の人間は山頂まで逃げてきたが、すぐ足元まで黒い水が迫っている。
周りの人が次々と飲み込まれて消えていく。





男が枯れた草地を全力疾走している。
この男は人間の唯一の生き残りであるようだ。
メスのライオンの生首の目や口から馬の脚が生えたような、謎の生き物二体に追いかけられている。

突然場面が「火の鳥」のような抽象的な空間に変わり、命の神が男に加護?を与えた。
男は「いらねぇんだよ」と半笑いで叫ぶと走り続け、壊れたように爆笑しながらライオンの生首をぐんぐんと引き離していった。


枯れた草地は最初に見た山の成れの果てであったようだ。
少しだけ山の形が残っており、男はフラフラになりながらそこを登っていた。
長い月日が経ったようで、男は髭も髪もぼうぼうに伸び、なぜか頭の右の方からツノのように木の枝が生えていた。
木の枝には、「No Man's Sky」の赤いアトラスインターフェースによく似た真っ赤な木の実がひとつ成っており、男が倒れそうになると波打つように蠢いた。
いつの日か男が倒れればこの木の実が枯れた大地に落ち、この世界に生命が戻るのだ。

命の神は男が死ぬ時を待っているのだろう。
男は命の神に呪われた自覚を持っており、意地でも倒れまいと一人で逞しく生きていた。

男が枯れた木陰に座って休もうとすると、突然現れたカーテンにくるまれてどこかへ攫われた。



男は彩度の低い空間にいる。
やたらと広い食卓のようなテーブルがあり、男の他に黒いフードを被った灰色の髪の若い女性、大柄で同じく灰色の長髪を持った老齢の男性、ぼんやりと光る白いレースのカーテンが席に座っていた。

レースのカーテンがリバーブのかかった囁き声で何かを男に話している。
彼らが命の神の分身であるようだ。

099

猫がすき焼きの肉を一枚咥えて部屋に駆け込んで来た。

リビングから盗んで来たようだ。

私はそれを取り上げ、キッチンへ捨てに行こうとする。


リビングで父親がソファの右端に座り、テレビで録画した鉄道の番組を見ていた。

肉を見て「何だそれ」と聞くので「なんか肉、レンくん(猫)が持ってきた」と答えると、「洗った方が良いよ」と謎の助言をくれた

私は洗面所へ行き、言われた通り肉を水で洗う。

すると肉は擦り切れたタオルになった。

リビングへ戻り、父親に「タオルになっちゃったよ」と伝える。

すると父親は突然真っ二つに裂け、右半身をソファの右端に残し、左半身だけがソファの左端に滑っていった。

私はその間に座った。

「このソファ座るの久しぶり」と言うと、半分になった父親が両隣から「また会えて嬉しいよ」と優しい声で言う。

098

東京に電波を発する奇妙な爆弾が落ちた。ベランダの方の空が紫色に光るのが見えた。

私の家は東京から少し離れているため、光が見えてから電波が到達するまでにラグがある。

私はとりあえずテーブルの下に入った。

家族によく似た気配がベランダの扉に張り付くようにして外を見ていたので、早く伏せないと電波が来るよと呼びかける。





なんでもできる魔法書を手に入れた。

私はそれを使い、なぜか視界に入る人間を全員撃ち殺していた。

家族も全員撃ってしまい、もう平穏な日常は永遠に戻ってこないのだと悲しくなる。


気を紛らわせようと和室の窓から飛び出し、そのまま空を飛んでみた。

気がつくと町は、手描きのデタラメなマップになっていた。夢の中の私が小さい頃に描いたものらしい。

近所の小さな公園の奥に観覧車や噴水の絵が描いてある。

「観覧車なんてあったっけ?」「公園の奥にはあるんだよ」と自分と母親が話す様子を空想する。

家族や日常を破壊してしまったことを改めて悲しく思う。

097

霧の深い川辺にいる。

多摩川に似ており、逆さまになった丸子橋のような橋が少し遠くに架かっている。


大きな川の真ん中を、死んだ裸の人間がゆっくりと流れていく。水面に出た背中にカラスがとまってそれを啄もうとしており、私はそれを見ている。

カラスが何度か死体の背中をくちばしでつつくと突然プスッと破裂音がし、死体は空気が抜けるようにして萎んでいった。

カラスは逃げていった。私は死体を見るのをやめた。



背後の土手を見上げると、足元だけしかない人間の銅像のような物が設置されていた。

ふくらはぎ辺りから上が破壊されている。

左を見ると少し離れた所にもうひとつ似たようなものがある。


土手を登ると道路を挟んだ向こう側に、木が大量に植えられて中の様子がよく見えない暗い公園があった。

道路沿いに足元だけの銅像が建ち並んでいる。



公園の敷地の一番右端の方に入り口らしき空間がある。私は興味本位でそこへ入った。

公園の中は閉塞感が強い。

道幅は1メートル程度しかなく、向かって右側に黒いフェンスとプラスチック製の分厚いアイビーの茂みが、左側には四角く整えられたツバキらしき低木が隙間なく植っており、すぐ頭上にはよく分からないわざとらしい真っ暗闇があった。

少し入り口から遠ざかるともう暗すぎて足元も見えない。

いつの間にか手に持っていたiPadのライトで足元を照らして進むが、結局霧で迷って入り口に帰ってきてしまった。



道路沿いの銅像の足の間に母方の幼いいとこが座っていた。

いとこは公園を迷路だと思っており、私と一緒に探検したいと言う

私はいとこにiPadを貸した。

ライトを使って歩く事を想定して渡したのだが、いとこはライトを点けながらカメラを起動し、その画面を見ながら歩いていた。


入り口から少し進んだところで、右のフェンスの向こう側から私たちの足元に人間の生首が投げ入れられ始めた。

生首は地面についたその瞬間に、麻袋に綿を詰めたデコイに変化する。

いとこはiPadの画面を見ているため生首を投げられている事に気付かないまま、この公園を大いに楽しんでいる。

私はいとこが生首に気付いてしまわないかとハラハラしており、いとこと努めて朗らかに話しながらフェンスの向こう側の何者かへの牽制の意図を込めていくつかのデコイをフェンスの方へ蹴り飛ばす

いとこが転ばないように先の地面に気を配りながら、いとこの後ろについて歩いていく。

096

学校のような知らない場所にいる。

何かに追いかけられているようだ。捕まれば無事では済まないだろうが、周囲にいる人は誰も助けてくれない。

私はこれに捕まって学校から出られなくなるというのを何度も繰り返しているようだ。


この建物はやたらと階段が多い。私は手すりを滑り降り、追いかけてくる何かから少しでも距離を取ろうとした。

最終的に私は、廊下の突き当たりにあった中立トイレという謎の施設に逃げ込んだ。

赤い女子トイレのマークがついた個室と、紫色のjの字のようなマークがついた個室が入り混じって設置されている

窓が無く全体的に薄暗い。いつもこの地点で捕まっていたという事を、ここに来て初めて思い出した。

無意識に女子マークの個室に隠れようとするが、よく見るとjマークの個室から微かな光が漏れている。開けてみると小窓が設置されていた。

小窓を通り抜けると隣の男子トイレに出てきてしまった。しかし奥に大きな窓がある。

私はその窓からどうにか外へ脱出した。



普通に校門から下校しようとしている。

やはり見た事のない学校だったが、私が小学一年生の頃の担任の先生が校門前に立っており、通り過ぎる生徒たちにさようならを言っていた。

私は隣にいた親しげな見知らぬ気配と話しており、先生に挨拶をしないまま通り過ぎた。

しばらく歩いてから、先生が私を大声で呼ぶのが聞こえた。

挨拶をしなかったせいかと思い、慌てて走って先生のもとへ戻る。


先生は「最近大丈夫?」と聞いてきた。一頻り私を心配したのち、「ひみつね」と言って100円玉を2枚握らせようとしてきた。

それを断りお礼と挨拶をして、親しげな気配のもとへ戻る。

またお金?と聞かれたので今回は受け取らなかったという事を自慢げに伝える。夢の中の私は度々あの先生から施しを受けていたようだ。


脱力した誰かのシルエットが空中に吊られている。

景色が黄昏時のように暗くなっているのに対して、空はとても明るく黄色と水色の極彩色だ。

「ウlクlラlイlナカラーだ!」と言うと親しげな気配は「何それ」と平坦な声で言った。

私はここが夢だとは気付いていなかったが、現実とは違う世界である事は認識しており、この世界ではそもそも戦争が起きていないのだと思い至った。

「こういう色の国旗の国があるんだよ」「多分そのうち習うよ」と親しげな気配に伝えた。

095

高さや幅がバラバラな大量のコインロッカーが迷路のように配置された、薄暗い屋内にいる。

二体のゲームキャラが混ざり合った操作性の悪いキャラクターを二人がかりで操作して、定期的に数体ずつスポーンするゾンビを全員倒さなければならない。

操作キャラクターは異様に背が高く、黒く真っ直ぐな長髪と真っ黒な体をして、白いレースの付いたゴシックドレスを身に纏ったおしゃれな八尺様のようなキャラクターだった。


コインロッカーの合間にぽつりと置いてあるベンチに座る事で進行状態をセーブする事ができる。

このゲームでは、ゾンビが出る直前になるとどこからともなく誰かの話し声が聞こえ始める。

それを聞いたらベンチに向かい、座る用意をして敵を待つのが攻略法だ。

ゾンビが視界内にいる状態でベンチに座ってセーブし、そのデータをロードすると視界内のゾンビが全て消えているという有用なバグがあるのだ。

このゲームではキャラクターが攻撃を受けるとプレイヤーにも被害が及ぶ。

その為、正攻法で挑もうという気にはなれなかった。


私ともう一人のプレイヤーは裏技を知っていたので、ゲーム開始早々にそれを実行した。

しかし、おしゃれな八尺様の合体元となった二体のキャラクターが両方とも最初期に実装されたものであるせいで、どうやら裏技がうまく使えない。

もう一人のプレイヤーはそれを知るや否や「や、ちょっと自分まだ死にたくないんで 失礼します」と半笑いで早口で言うと、操作から離脱した。

片方のプレイヤーが離脱してしまった場合、もう片方は死ぬかクリアするまで離脱ができない。


プレイヤーの片方が離脱した為おしゃれな八尺様は左半身のコントロールを失い、不気味な歩き方をするようになってしまった。

元々難しかった操作が更に難しくなっている。

私が操作をしている間、離脱したプレイヤーはオタクっぽい話し方で私を煽っていた。

行き止まりに当たれば「あ、行き止まりですねぇ ちなみにすぐ後ろ敵いますけど?」「ちょっと攻撃受けてみてくださいよ 勇姿見届けるんで」等と笑いながら言う。

ゲーム内でキャラクターが死んでしまえばプレイヤーも死ぬ。離脱したプレイヤーは私が確実に死ぬだろうと見越して観戦を楽しんでいるようだ。


反抗的な気持ちを抱くのが面倒で、じゃあもう死ぬかと思いコントローラーを手放した。

するとおしゃれな八尺様は勝手に行動し始めた。

体こそ動かせないものの念動力を自在に操り、コインロッカーを倒したりベンチを空中で振り回して、ゾンビを軽々と殺していく。


離脱したプレイヤーと私は呆気に取られてその様子を見ていた。

「強っ」と思わず呟くと、離脱したプレイヤーは「俺ら存在意義ゼロっすね」と露骨に不機嫌そうに言った。

私は彼に言いたい事が色々あったがまとめるのも面倒で諦め「そうですね」と生返事をする。


その後はただただおしゃれな八尺様がゾンビを殲滅する様子を黙って観戦していた。