夢日記

自分用

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この夢の中の私は10歳程度の男の子であり、私ではなかった。
家族構成も家族の顔ぶれもまるで違う。

特に印象的なのは姉だった。
姉は綺麗な人で大人しく、いつもにこにこしている。しかし、過去に受けた何らかのショックによって精神に問題が生じている。
姉は自分の事を、幼い頃の弟(つまり私)だと思い込んでいた。姉は高校生くらいに見えたが、情緒は5歳程度だった。
しかし私を含めた家族全員が、それを治療しようとはせず、人形のように姉を可愛がっていた。


私たちは大きな日本家屋に暮らしているようだった。
仄暗く広い和室の真ん中にアンティークな揺り椅子だけがぽつんと置いてあり、姉はいつもそこに手足を揃えて行儀良く座り、微笑んでいた。
姉はほとんどそこから動かず、私たち家族は和室に通って半ば介護のように姉の世話を焼いた。
この和室は私たちの生活する部屋から隔離されているようだ。

和室で姉以外の家族の誰かと出会う事があったが、家族間の交流は無いに等しかった。
私たちはお互いに無関心で、常に姉一人だけを見ていた。




ある日、私はタンクトップにハーフパンツという至極ラフな姿で和室に寝転がり、なぜかDSで遊んでいた。
一方姉はピアノの発表会で着るような、なめらかな生地の黒いワンピース姿で、いつも通りに揺り椅子に座ってにこにことしていた。


DSの充電が切れそうだ。
私が充電器の所へ行こうと起き上がると、姉が声をかけてきた。
「どうしたの?」と聞くと、姉はにこやかな表情のまま「お姉ちゃんがアツシ君を溺れさせた」と言いだした。

ちょうど私が5歳の頃に、姉の幼なじみであったアツシ君という男の子を姉が池に押し込んで溺死させており、幼い頃の私はそれを目撃していた。
姉は、自分の事を「幼い頃の私」であると思い込んだまま、過去の自分の罪を私の視点から告白しようとしているのだ。

そんな事をしては、私の大好きな姉が捕まってしまう。このまま「幼い頃の私」に姉の罪を暴露させてはならないと思った。
私は、穏やかに話し続ける姉を放ってコンセントのある部屋の隅へ走り、DSの充電コードを引き抜いてきた。
そして姉に飛び掛かると、わざと他殺だと分かるように後ろから念入りにコードを絡め、姉の首を絞める。