静かな建物の上層階へ向かおうとしている。
一階のフロアには夕陽の差す大きなガラス扉があった。私たちはそ
しかし友人が言うには、立て看板を読む限りその扉から外へ出る事
私は全くその看板の内容を読む事ができなかった。日本語らしき言
私はそこが夢の中である事を自覚していなかったが、なぜか「うち
友人も「分かった」と普通に受け入れていた。
周りに人がいる。おかしいのは、その人たちの背丈が異常に高く、
私たちは逃げるようにしてエレベーターに乗り込んだ。
気がつくと私は見た事のない分厚く白い携帯端末を持っていた。夢
この場所では、エレベーターの乗り継ぎ方を間違えてはいけないの
看板が読めない私だけが能天気だった。
分厚い携帯端末は、前半分と後ろ半分で二つに分かれた。「」のよ
落ち着いてきたらしい友人が「それ片方だけ置いてけってさ」と親
私は静けさを打ち消すつもりで電池ケースの付いた方をエレベータ
背後に中学の頃の友人がいる気がする。気配だけが私たちについて
二階のフロアはホテルのフロントのような雰囲気であり、誰もいな
ヒントがないので片っ端からエレベーターの扉を開けてみる。その
照明のスイッチの下に看板が貼り付けてある。
友人はそれを読むと「じゃあこれか」と開きっぱなしのエレベータ
中学の頃の友人の気配も当たり前のように一緒に乗り込んで来た。
三階のフロアは一階二階よりも少し広めで、物がないオフィスのよ
車椅子に乗った社長らしき人物とそれを支える数人の部下が一つの
私たちはまた手分けしてエレベーターの扉を開いて回る。
エレベーターの扉の向こう側はエレベーターの中に繋がっていると
私が開けた扉の中の一つに祖父母の家のベランダに似た景色があり
思わず声をかけるとこちらを振り返って、驚いて嬉しそうに早足で
反射的に足を踏み出したが、友人が気掛かりで向こうへ行っていい
私は祖父母のもとへ行きたいがあまり、そちらを見もせずに「うん
咄嗟に飛び退くと目の前で物凄い勢いで扉が閉まった。ポンチョT
「何してんだよ!」と少し遠くにいた友人が慌てて駆け寄ってきて
中学の頃の友人の気配はいつの間にか消えてしまった。
なぜか三階から一気に六階まで来た。
エレベーターの扉が開くとすぐ目の前に、淡い緑色のコートを着て
夢の中の私はその子を父方のいとこのうちの一人だと認識していた
その子のすぐ背後は真っ暗だ。エレベーター内の照明がその子を正
その子は辿々しく「なんで六階に来たの?」「〇〇(私の弟)が四
畳まれちゃうって何?と聞くと「お葬式」と言って突然両手を真上
その様子の異様さに驚きつつ、友人に四階に行きたいと伝えようと
私は何も言えないまま四階のボタンを押したが、乗り継ぎ方を間違
友人は仰向けで床に転がったが、すぐに上体を起こして両手を上げ
私は友人たちの不気味な様子をどう気にかけていいのか分からず、
四階は深夜の病棟のような青緑じみたフロアだった。ワックスのよ
エレベーターのすぐ手前に、木の車輪のついた大きな卵型のベビー
中を覗くと、患者服を着た小学生の頃の弟がいた。
「〇〇(私)ちゃん」と普通に話しかけてきた。「入院になっちゃ
「あっち行きたいんだけどさー さっきまで押してくれてた人がいなくなったから押して?」と言う
焼夷弾によってあちこちで火事が起きており空が真っ赤だ。人はい
「なんで 危なくない?」と聞くと「んーでもさ だって畳まれたくないし」と言う。
「畳まれる」という言葉でさっきの子どもと友人の奇行を思い出し
外は危険かもしれないが、弟が死んでしまうよりはましだ。それに
ただ、すぐに戻るつもりで友人に「ちょっと待ってて」と連呼して