夢日記

自分用

089

外市民プールのプールサイドの日陰に、冬服で立ち尽くしている

異様に青く彩度の高い空が眩しい。

プールサイドを囲むフェンスの外側には、5メートルほどはありそうな巨大な毛虫のような物が乱立していた。

毛の一本一本がてんでばらばらに蠢いている。私はそれを見た事のない木だと思った。


プールの中には大量の人達がいるが、その全員が冬の装いをしており、最初の私と同じようにただ呆然と立ち尽くしている。

この場で動けるのは私だけだと断定した。夢の中の私にとっては特に違和感が無かった。

プールの水に手を入れるとホログラムのように透ける。


浮き輪を着けた赤ちゃんがいるのが見えた。

私はプールの中に入り、その赤ちゃんの元へ向かうと、浮き輪の上下をひっくり返した。

水中の赤ちゃんはやはり何の反応も示さないが、口元から小さな泡が絶え間なく溢れている。

周囲を見渡すと浮き輪を着けた似たような赤ちゃんが大量に出現していた。

私は作業的にその全てを逆さまにする。


プールの底に私の猫たちが横たわっているのが見える。一目で既に死んでいる事が分かる。

私はなぜか、私にとって大切なものを全てこのプールで溺死させなければならないという強迫観念のような思考にとらわれていた。

目の前に親戚のような人間が居る気がする。私はそれをよく見ないようにしながら水の中に押し込んだ。相手は無抵抗だ。

周囲に居た人々は皆、私の良く知る人物にすり替わっていた。私はその事に気付いていたが、何も知らないと自己暗示をかけてその人々を全てプールの中に沈めていく。

誰かに声を掛けられたら我に返ってしまうと危惧していたが、誰も何一つとして言葉を発さない。

私は段々と気が楽になっていった。


全員を水中へ沈め終わり、私はプールサイドに上がった。青空が眩しいので最初にいた日陰に戻る。

フェンスの外側を見ると、毛虫の木々は枝分かれしてよりグロテスクな様子になっていた。

私はプールの方を向いて座り込んだ。プールの中には誰もいない。

私はここで死ぬつもりだ。