キッチンで何かと戦っている。
何かは私の右手に包丁を押し付けて鋸を引くように動かした。ぞっ
何かは安堵する私の横をすり抜けて和室の方へ逃げていった。私は
和室につくと、私が先程から襲われたり追い回したりしているのは
なぜか家族が全員リビングにおり、食卓やソファに座って各々くつ
時折「うるさい」「
私が殺すか殺されるかの戦いをしているのに誰一人助けてくれない
猫は本棚の上に飛び乗った。私は猫の背中に包丁を振り下ろした。
鈍い音がして包丁は弾かれたものの、どうやら今の一撃で猫の背骨
猫は動きが鈍くなった。
猫は逃げようとしている。私は右手を切断されそうになった事への
飼い猫はもはや動けず、ただシャーと威嚇をする。
数年ぶりに威嚇された、と悲しくなった。
この猫は元野良の保護猫で、うちに来た頃は威嚇ばかりで触るどころか近づく事すら叶わなかった。
そこから数年間根気強く接して、その結果この猫は私にだけは誰よ
私はその猫を今にも殺そうとしている。
私は突然我に返った。大好きな猫が目の前でボロボロになって弱々
リビングを見ると誰もいなかった。
全て幻覚や幻聴だったのだろうか?頭がおかしい。
考えるごとに私は何て事をしているんだとパニックに陥った。猫に
私の手が勝手に包丁を振り上げ、再び猫の背中に刃を突き立ててい
「やだ!!」と叫んで飛び起きた。