廃ビルの一室に置かれた机を、見知らぬ中年の男女とスーツ姿の男
見知らぬ男女は私の両親であるようだ。
一つ向こうの部屋には、椅子に縛り付けられた金髪の若い女性が見
金髪の女性は私の姉らしい。
スーツ姿の男は私たちに「サービス」の説明をしている。
聞いているとどうやら働かずに遊び歩いている姉にストレスを募ら
姉を差し出してもらったのは3Dスキャンの為だった、スキャンは
偽の両親は真面目に話を聞いているが、私はこれらを不可解に思い
スーツは「彼女は服用させた薬の関係でしばらく目を覚まさないの
「すると発煙しますので、その煙で部屋を満たしていただいて そうすれば意識の回復、その後の記憶処理等が飛躍的に簡単になり
スーツは頻出する「ので」「いただいて」の度に喋りを減速させ、
私はなぜかその言動に内心ひどく苛立っている。
スーツは粘土を開封し、炙る様子を実演した。
姉のいる一つ向こうの部屋にはたちまち煙が充満し、スーツはその
あれでは姉は息ができなくなるのではないだろうか、と考えると瞬
話を切り出すべきか、どう切り出そうか迷っていると、突然背後に
「こっそり、こっそり」と口に出しながら忍び足で近づいて来てい
祖母は刃先の鋭い金色のハサミを持っている。
私に気付かれた事を悟ったのか祖母はそのハサミを逆手に持って振
私が刺されるのかと思いきや、祖母はそれを祖母自身の胸に突き立
思わず「何してんの!?」と叫び祖母に飛び付く。
服の胸元に血が滲んでいるが、その量は思ったよりも遥かに少なか
祖母は「痛いじゃないのよ〜!」と祖母自身の頭を軽くはたき、「私っ
机の方から「えー、ドッキリ大成功。」と平坦な調子の父親の声が
見ると先ほどまでの偽の両親ではなく、本当の私の両親が机の向こ
母親は関心が無さそうな無表情をしていたが、私と目が合うとよか
父親に「どこからどこまでがドッキリなの?」と聞くと父親は「半