夢の中の私は貧しい国の住人ということになっていた。知り合いらしきおじさんの車に乗ってこの国から逃げ出そうとしているところらしい。
この国の国民は海外への移住が禁止で、特に女性はどんな用があってもこの国から一度も出てはいけないという。
おじさんは海外出張に行くていで国外逃亡するつもりらしい。その際に私のことも連れてきてくれた。
検問のような場所を通り抜けようとしている。私は後部座席の足元部分のマットの下に横になって隠れた。
しばらくおじさんが検問の人と話しているのが聞こえ、それから車が発進した。
「よっしゃあ!ついにやった どこまでも逃げてやろうな」とおじさんは嬉しそうに言った。
8階建てほどの高さはある黄色やオレンジ色の土?でできた大きな建造物が立ち並んでいる。
これらは家らしいがドアや窓などは見当たらない。
建物の間の複雑な細道をおじさんの車で進んできたが、ついに狭すぎて曲がりきれないような道に突き当たってしまい、私たちは車を降りた。
おじさんと一緒に荷物を引いて歩く。
建物と建物の間にトマソンじみた橋のようなものが複数架けられている。
その下にホームレスが暮らしていたであろう寝床や古い荷物などの痕跡がいくつもあった。
この場所に来て初めて人の気配を感じ、少し安心する。
いつのまにかおじさんは母方の祖父になっており、私たちは再度車に乗ってお金持ちの誰かの家に荷物を届けに来た事になっていた。
私は助手席で大きなチョコのパンと、長方形のケーキと、何かもう一つの小さな荷物を膝に抱えている。
小さな荷物の中身は私が作った何からしい。私は緊張している。
のどかな谷に立つ大きなお屋敷についた。
出てきたのは綺麗な白髪をしたお淑やかな感じで背の高いおばあさんだった。
紺色の長いワンピースに白いカーディガンを羽織っている。まるで絵本の中の人物のようだ。
おばあさんは祖父の車から荷物を運び出すのを手伝ってくれた。
どうやらこの後ケーキを一緒に食べる予定があるらしく、私たちをお屋敷に上げてくれると言う。
お屋敷の中はまるで高級なパーティの会場のように絢爛な内装だ。
奥の部屋に進むと母方の祖母と叔父さんがいた。
「おじいちゃんが自然公園で鳥を撮ってたら、散歩してた彼女と偶然話す事になって意気投合してね この歳でこんなに親しい友達ができたのよ」と祖母がおかしそうに笑って話してくれた。