夢日記

自分用

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友人と山の坂道を自転車で降っていると、白いワンピースを着た痩せた小さな女の子が呼び止めてきて「上着を取ってほしい」「トイレに行きたい」とよく分からないことを言う。

友人が怪しがって「やめとけ」と小声で耳打ちしてきた。

しかし私は怪しい事にわざと首を突っ込みたいと思った。それに上着の在処にも心当たりがある。


私たちは上着のあるところへ向かった。

青と黄色の派手な色の小さなダウンジャケットが、道路の外れの休憩所のようなスペースのベンチの前に落ちている。何かを包んであるかのように不自然に膨らんでいる。

私は何かが起きると確信してそれにゆっくりと手を伸ばし、恐る恐るといったふうに摘んだ。

するとダウンジャケットの下から青白く細い手が飛び出し、私の手首を力強く掴んだ。


私はその後どうなるかが見たいと思い逃げることをしなかった。しかし私のすぐ後ろで警戒していたらしい友人が「逃げるぞ!」と叫んで私の腕を掴み、白い腕を振り払わせた。

友人は自転車に飛び乗り、私もそれに倣う。

私たちは坂道を猛然と下り始めた。



私たちは郊外の住宅街のような場所にいる。

この住宅街は夢によく出てくる場所で、野良猫(地域猫?)が大量におり空き地や謎の駐車場が多い。

私たちはその風景について会話を交わしながら自転車を漕ぎ続けている。

随分山から離れたのでさすがにもう逃げる必要は無いように思うが、雑談しながらサイクリングをするのが楽しいのでだらだらと進み続けているようだ。


人が一人も見当たらないので歩道を走っている。

ふとここがどこなのか確認しようという話になり、止まってスマホを見ていると、小さな男の子が走ってきて私たちのすぐ横にある境界ブロックを数回軽く蹴った。

歩道に自転車がいるから「ダメだよ」と伝えにきてくれたのだろうか。それなら話を聞いてから「気付かなくてごめんね」「注意してくれてありがとう」といったポジティブな反応を返そうと考えた。

しかし「どうしたの?」と話しかけてみると、男の子は「外国人だろ」とよく分からない事を言った。

想定に無かった言葉なので拍子抜けする。「そう見える?」と聞くと男の子は頷き、友人の自転車を指差した。

見ると友人の自転車の後ろカゴに、人面太陽の絵が描かれたオレンジ色の奇妙な旗が揚げられている。

男の子はこれをどこか遠い国の国旗だと思ったようだ。