夢日記

自分用

108

彩度の低く霧の深い場所にいる。

辺りは真っ平らな白灰色の平原で、河原の石のようなものとわざとらしい小さな山がたくさん置いてあり、どことなく不自然な印象の風景が広がっている。

私と、私より幼い何かの気配はそこに突っ立って景色を眺めている

私は隣に立つ幼い気配に話しかけているが、自分が何を言っているのかを上手く聞き取る事ができない。

自我が朦朧としてくる。

 

しばらくすると、3Dゲームでの読み込み時のようにさらに遠くの景色がまばらに現れ始めた。富士山のような高い山や山岳のようなものが見えてくる。

幼い気配はそこに行きたがった。

私はそれを了承して歩き出す。

その直後、私は幼い気配と入れ替わった。幼い私は父親の腕に座るようにして抱っこ?をされている。

自分で歩かなくてもよい心地よさと安心感のようなものがある。



冷たくない粉雪が降っている。

平原は最初こそ真っ平らで何もなかったが、歩いていると霧の奥から変わった形の木々の生い茂った林のような地帯や、凍った浅い池のようなものが現れ始めた。

バケツを被った雪だるまの群れが数体、ゆるやかに跳ねるようにして移動している。その中に数体、バケツを被っておらず三段ある雪だるまも混じっている。

私は子どもらしくそれらの全てを指差しては「〇〇があるよ」「〇〇だ!」と父親に教えている。

父親はその度に「ほんとだ」「そうだね」と短く相槌を打ち、少しの間だけ立ち止まってそれをよく見せてくれる。



自然物しかない景色が続く中、ふと右の方に街灯が見えた。

目を凝らすと霧と粉雪の向こう側にとても幅の広い白い石階段があり、その数段下に数軒の住宅が建ち並んでいるのが見える。

突如現れた人工物に興味を惹かれる。父親は私が何かを言う前に無言でそちらへ歩き出した。




住宅の内の一つから住民が出てきて、こちらへ挨拶をしてくれた。

それ以外には誰もいない。

漠然とこの世界が今日中に終わるような予感がした。

父親に「たぶん、今日で世界が終わっちゃうよ」と言うと父親はやはり「そうだね」と短く返事をした。

 

家々の間を抜けていくと真っ黒な海が見える。

私は海が好きだが、この時はなんとなく嫌な予感がしてそちらに行こうとは思わなかった。




いつの間にか父親とはぐれており、先程挨拶をしてくれた住人が私を探しに来た。

「どこに行っちゃったかと思ったよ」「戻っておいで」と言うが、私としては父親に許可をとってから歩き回り始めたつもりだったので少し不服に感じた。

 

住人に連れられ、父親が居ると言う住人の自宅へ入る。

その家は外観はごく普通の一軒家だったが、入ってみるとその中は木造の廃墟のような様相を呈していた。

父親は居間らしき部屋で正座をしている。父親に話しかけようとすると、私が口を開く前に「外を歩き回っていて良いよ」と答えてくれた。

ほらね!と住人の方を振り返るが、既に住人は居なくなっていた。




いつの間にか粉雪は止み、霧も晴れている。私は先程見えた海へ行ってみる事にした。

海は真っ黒で、砂浜は灰色をしている。

空も灰色に澱んでおり太陽が見えない。

砂浜より手前には砂浜に沿うようにして二十段程度の広い石階段があり、たくさんの人々がそこに座って無言で海を見つめていた。

私もそこに座ってしばらく海を眺めていた。



しばらくして、ふと海の様子がおかしくなってきた事に気付いた。

引き潮が起こっている。目を凝らすと地平線から津波が迫っているのが見えた。

階段に座っている人々は動く気配がない。幼い私は必死に「津波よ」「逃げようよ」と叫ぶが誰も返事をしなかった。

私は父親のことを思い出して階段を駆け上がる。

死ぬとしても父親と一緒にいればまだ怖くないような気がした。

107

同年代の人たちと集団で何かやらかしたらしい。私たちは天罰を受ける事になった。

 

何らかの方法で殺され、その日の朝へ戻されるのを7回繰り返せと脳内に直接指示された。

殺される為には指定された時間に指定された場所へ行かなければならない。

従わなかった場合は3日以内に事故に巻き込まれ、死に損ねて全身不随になるだろうと脅された。

 

その直後からダイジェストのような勢いで、車に撥ねられたりトラックのタイヤに巻き込まれたり、駅のホームに並んで立って刃のついた特急電車に真っ二つにされたり、カフェで家族の目の前で殺されたりする場面を次々と体験した。



最終日は一番怖い事が起こると予め伝えられている。私たちは指示によって全員まとめて電車の同じ車両に乗せられた。

今までは死が訪れる時間の予告があったが今日は無い。いつどう死ぬか分からず精神的に疲弊する。


ふと気付くといつの間にか他の人たちの内の数人が、血の混ざった赤い掴める水のようなものを手にしていた。

それを指で圧迫すると内容物が少しずつ飛び散る。内容物に触れると全身の筋肉が勝手に動き出し、骨折などを引き起こして無惨に死ぬ。

電車内がパニックになる中、恐怖のあまり赤い掴める水を持っている人を殺す人たちが徐々に現れ始めた。

私も参加しようか迷ったが運動音痴なので諦めた。しかし赤い水をかけられるのはやはり怖い。

私は死体の多い所へ行ってできるだけ奥まった場所で倒れ、死んだふりをしてどうにかやり過ごそうとする。

106

どこかの小学校の体育館で、シャボン玉を作るという謎の授業をやっている。シャボン玉液として生徒たちが作っていたものはねるねるねるねに良く似た粘性の何かだった。

ふと部外者らしき男性が当然のように入って来て、水色のシャボン玉液を大きなバケツ数個にいっぱい作ったからみんなに分けてあげる、というようなことを生徒たちに呼びかけている。

「今考えると、あの時間であれだけの量を作るのは難しい事だと思うのでー」「あらかじめ用意したものを犯行のために持ってきたんだと思います」と白いテロップが下に表示された。

これは事件を追ったドキュメンタリー番組であるようだ。

私はそのあと何が起こったのかを知りたくなかったのでその夢を終わらせた。





凶悪犯罪をしたおばさんとおばあさんが真夜中の鬱蒼とした森の中で死のうとしている。

自然にできたコンポスターのような棺が縦に二つ並べられている。二人はその中に入って腐った土を布団のように被り、大量の蛆虫や大きな幼虫やムカデなどを全身に纏わりつかせていた。

二人は仲が悪そうで、こんな状況でもちくちくと言い争っている。


おばさんがいよいよ死にかけた時、おばあさんはまだある程度元気だった。

未だに攻撃的な会話を交わしてはいたものの、おばあさんは内心焦ったような様子でおばさんの棺の中からムカデや幼虫を掴み取り、自分の棺の中に次々と入れていく。

なんらかの理由によって、二人は同時に死ななければならないらしい。


私は、その様子を見て虫に怯えその場から逃げ去る架空の人物になっていた。

下り坂のようになっている森の中を、パニックになっている様子を演じながら駆け降りる。

すると真っ黒だった空がどんどん明るくなっていく。そちらに気を取られていると突然森が終わり、私は開けた道路沿いの歩道によろけながら飛び出した。

どこか外国の郊外のような感じだ。歩道はやけに広く、標識などがなんとなく日本のものではないように見える。

歩道のすぐ向こうには異様な広さの駐車場があるが、停まっている車は一台だけだった。

少し遠くの方にこれもまた異様な大きさのコストコのようなものが見えるが、敷地が広く一階建てであり、そのことがよりここが海外であるような雰囲気を作っていた。


歩道の右の方から四羽の白い子うさぎが猛然と走って来た。

私が演じている架空の人物はあれだけ虫が嫌いなのだからうさぎもダメだろうとよく分からない事を考え、コミカルにウワーッと叫んで持っていたカバンを放り投げながら地面に転がり、飛び付いてきた子うさぎたちにもみくちゃにされる。

いつの間にか子うさぎ達は大型犬の子犬になっていた。私は役に徹しなければならなかったはずなのだが、子犬が可愛かったのでそれを放棄し子犬と遊ぶ事に専念し始めた。


うさぎに飛びかかられた時に投げた鞄を拾うべきだが、周囲に人がいなかったのであとでで良いかと思いしばらく放置していた。

するといつの間にかそこに小太りな海外のおじさんが一人立っており、鞄を拾ってこちらに渡してくれた。
英語で謝罪とお礼をすると「日本語できるから日本語でいいよ」と言ってくれた。


私たちはなぜか一緒にコストコ?の中を通り抜けようとしている。

おじさんはすごく流暢にたくさんの日本語を話してくれた。しかしその内容は国内でよく語られる非倫理的な陰謀論そのものである。

海外の人にこうして冷静に語られると、それが詭弁であると分かっていてもなぜだか謎の説得力を感じてしまう。

その事を不思議に思い、おじさんの話を聞き流しつつ頭の中でその理由を考察しようとする。



店内を通り抜けた頃にはおじさんはいなくなっていた。

コストコ?の向こう側は見慣れた日本の風景であり、細い道路や小さな駐車場、上にマンションのついたコンビニなどが所狭しと立ち並んでいる。


すぐ側にあったバス停のような場所に父方、母方の良く知る親戚が全員揃っており、無言で並んでバスを待っていた。全員が喪服を着ている。

私は当然喪服ではないので焦ったが、黒のスカートに白いシャツブラウスという服装をしていたためまあセーフだろうと勝手に判断した。


私の母親がなぜか私と同じ歳くらいにまで若返っていたが、周囲の誰もそれを気にしていない様子だった。

そして父親は真っ二つになっている。

以前見た夢でも父親が真っ二つになった事があり、夢の中の私はそれを現実だと思っていたため「またか」「外でならないでほしいな」と呆れに近い感情を抱く。



私たちが乗るべきバスが近付いてきた時、母方の幼いいとこがおばさんと一緒に私の所へ来た。

いとこはもじもじしている。おばさんはいとこをフォローするように「ごめんね、〇〇ちゃん(私)と隣の席に座りたいんだって」と申し訳なさそうに言った。

私は嬉しく思って快諾する。


バス車内で、いとこはリュックの中身を膝の上にひっくり返した。ポケモンのぬいぐるみやLaQで作った車などが大量に出てくる。

私は、いとこが意気揚々とそれらの説明をしてくれるのを明るくオーバーリアクションをしながら聞いている。

しかしこれは葬式に行くためのバスである。こんなに盛り上がっているのは私たちだけで、他の親戚は誰一人として一切の会話すらしていない。

そもそも私は今誰の葬式に向かっているのかも知らずにいるのだ。これでは良くない。

漠然とした焦りを覚える。

105

新種の桜が沢山あるという架空の神社に行った。

団体で来たはずだったが、はぐれたのか気が付くと友人と二人きりになっておりラッキーと思った。
 
参道の脇に、枝葉が広がっておらずトピアリーじみて整然とした木が一本、展示でもされているかのように植わっていた。
ユーカリのような大きな葉と、お菓子のような見た目をしたパステルカラーの桜の花が所狭しと咲いている。幹以外の、葉を含めた全てが桃色に染まっていた。
この桜の花びらは食べられるらしいが、境内で勝手に枝葉を折っては罰当たりかもしれないから木から落ちてくる花びらを待ってキャッチしよう、という事になり、そこでしばらく遊んでいた。
結局その花びらを食べることができたかどうかは忘れてしまった。
 

ひょうたん型の実がたくさんなったクリスマスツリーのような風貌の低木があった。これも桜の一種らしい。
この木もやはり花や果実が全て桃色をしている。
木の前には私の幼なじみがおり、ひょうたんのへこんでいる部分を指で軽くなぞってみると指先が甘い匂いになるよ、と教えてくれた。
やってみると確かに、すあまかなにかのような優しくほんのりとした甘い匂いがする。
私は幼馴染と盛り上がっていたが、先程から一緒にいた友人は終始微妙な顔をしており、ノリをこちらに合わせてくれているように見えた。


幼馴染と別れてその木から離れたところ、友人は「なんかさ、どんだけ頑張っても猫のトイレの匂いにしか思えなかったんだよな」と懺悔でもするかのような重々しい様子で教えてくれ、私は「だからしおらしい感じだったのね」「多分それハズレの実だよ」と一頻り笑っていた。

104

灯台の中の、石造りの螺旋階段のような場所にいる。

下から151段目で友人と待ち合わせする事になっているが、30段目程度で既に私は疲れ果てておりそこまで登れる気がしない。

「無理なんだけど」と友人にLINEをするとすぐに「同じく」「今何段目?」と返事が来た。「30段目くらい」と答えると「わい50段目」と言う。

20段しか離れていないのなら聞こえるだろうと思い、上に向かって「降りねー?もう」と大きめの声で呼びかけてみる。

頭上から「降りるかぁ」と返事が聞こえた。

 

友人が来るのを待って一緒に降りようと思いその場に立ったままでいると、大量の傘の先で硬い床を突くような音が上から近付いてきた。

最初は何の音か分からなかったが、少ししてからそれが先ほど返事をしてくれた友人の足音だと気付き、その声の主が友人ではないのではないかという考えが浮かんだ。

「〇〇、いる?」と友人を呼んでみると、「降りるかぁ」と返事が返ってきた。

 

すぐそこまで傘の足音が近付いている。

固まっていると階段上から赤黒い液体が流れ落ちてきた。

「うわ!」と叫んで全力で階段を駆け降りる。

背後から「もういる?いる?」「降りねーうわ!」と先ほどまでの私の発言を混ぜた奇妙な声が足音と共に追いかけてくる。







妙な生物のたくさんいる、山の上の公園のような場所にいた。

頭と翼と足のない、ヘルメットほどの大きさのある巨大なひよこが地面を転がって移動している。

魚の骨が空中を泳いでいる。

私はこれらの奇怪な生物たちの中から、気に入ったものを連れて帰ろうと考えた。

 

しばらく公園内を物色していると、とんがりコーンのようなちゃちなツノの生えた、蛇と猫のキメラのような生き物を見つけた。サバ柄とキジ柄の二匹がじゃれあっている。

私はその生き物をいたく気に入り、Elona mobileの媚薬を大量に投げ付けて産卵させようとした。

103

freak man horror show」と銘打たれた、動画のプレイリストのようなものをDVDに焼いている。

どの動画も昔に撮影されたものらしく、画質がかなり悪い。


一つ目の動画は、藁が積まれた小さな畜舎のような薄暗い小屋の中で撮影された、ビデオレターのようなものだった。

褐色肌で恰幅の良いスキンヘッドの海外男性が、日本語で誰かの身の上を案じるような内容を話している。

拙い日本語で分かりづらいが、話している内容が不自然で少し不気味なものであった。

「大丈夫ですか、あなたの国は消えた」

「あなたの家族はあなたの頭上で息をしているか」

「土地のない場所で日常が続く」

「誰も国や自分が消えた事に気付かない」

といったような内容を断片的に、繰り返し話している。

それから突然真顔でこちらを見据えると英語で機械的に何か長文を話し、カウントダウンを始めた。


二つ目の動画には「首なしダチョウ」という題名が付けられている

先ほどと同じ小屋の中で撮られたもののようだ。

ジョン・レノンに似た風貌の海外男性が、白い長毛を持つ謎の生き物にふざけて乗ろうとしている。

白い生き物は嫌がっており、男性の腹を蹴った。

男性はその事に憤慨し、白い生き物の長い首らしき部分を切断した

白い生き物は頭を失くしたせいか奇妙な動きをしている。

男性は白い生き物の背中に乗ってロデオごっこを始めた。


三つ目は「首なしダチョウ.elr」というタイトルのつけられた動画だった。

途中までは「首なしダチョウ」と同じ映像だが、男性が白い生き物の首を切断するシーンの後、同じ小屋の中で男性が白い生き物の別個体に組み敷かれた。

そして白い生き物が男性の首を切断している映像が入り、そこで動画は終わった。


四つ目の動画では、動かなくなった男性を数体の白い生き物たちが取り囲んでじっと見ている。

102

実際の自宅とは違うマンションに住んでいた。
そのマンションにはエレベーターや階段が大量にあり、部屋番号もめちゃくちゃだった。
夢の中の我が家は306号室であり、そのすぐ隣には616号室があった。

私は風のような存在になれるらしい。
マンションの煩わしい壁や入り組んだ階段などをすり抜けて、直接306号室に帰ってくる事ができる。非常に便利な能力だ。


私は風として近所を走り回る。
風になっている間、私の姿は他の人には見えていないようだった。
公園に落ちている桜の花びらを巻き上げて花吹雪のようにし、公園内にベビーカーごと放置されていた赤ちゃんを喜ばせてみた。
それから花吹雪を連れて町中を駆け回り、人々が驚いたり感嘆する様子を見て楽しんだ。




一頻り遊んだ後、そろそろ仕事をしようと突然我に返り家に戻ってきた。
鍵で家の扉を開けると、家の中が引越し間際のように片付けられ、段ボールが山積みになっていた。
母親が数年前に捨てたはずのダウンジャケットを着て、ひどく怒った表情で玄関に立っている。

母親が「どちら様ですか」と厳しい声で言う。
怒っている事を確信し咄嗟に「ごめんなさい」と言うが、母親は「あなたは私の娘じゃない」「ここはもうあなたの家じゃないから」と続けて怒鳴る。
追い出されると思い「じゃあせめて荷物まとめさせて」と言うと、母親は激昂して「入って来ないで!」「殺してやる」と絶叫すると、私の胸ぐらを掴み異常な勢いで頭や顔を何度も殴りつけ始めた。
悲しくなり「なんで、なんで」と連呼していたところ、実際に寝言を言ったらしく目が覚めた。