夢日記

自分用

095

高さや幅がバラバラな大量のコインロッカーが迷路のように配置された、薄暗い屋内にいる。

二体のゲームキャラが混ざり合った操作性の悪いキャラクターを二人がかりで操作して、定期的に数体ずつスポーンするゾンビを全員倒さなければならない。

操作キャラクターは異様に背が高く、黒く真っ直ぐな長髪と真っ黒な体をして、白いレースの付いたゴシックドレスを身に纏ったおしゃれな八尺様のようなキャラクターだった。


コインロッカーの合間にぽつりと置いてあるベンチに座る事で進行状態をセーブする事ができる。

このゲームでは、ゾンビが出る直前になるとどこからともなく誰かの話し声が聞こえ始める。

それを聞いたらベンチに向かい、座る用意をして敵を待つのが攻略法だ。

ゾンビが視界内にいる状態でベンチに座ってセーブし、そのデータをロードすると視界内のゾンビが全て消えているという有用なバグがあるのだ。

このゲームではキャラクターが攻撃を受けるとプレイヤーにも被害が及ぶ。

その為、正攻法で挑もうという気にはなれなかった。


私ともう一人のプレイヤーは裏技を知っていたので、ゲーム開始早々にそれを実行した。

しかし、おしゃれな八尺様の合体元となった二体のキャラクターが両方とも最初期に実装されたものであるせいで、どうやら裏技がうまく使えない。

もう一人のプレイヤーはそれを知るや否や「や、ちょっと自分まだ死にたくないんで 失礼します」と半笑いで早口で言うと、操作から離脱した。

片方のプレイヤーが離脱してしまった場合、もう片方は死ぬかクリアするまで離脱ができない。


プレイヤーの片方が離脱した為おしゃれな八尺様は左半身のコントロールを失い、不気味な歩き方をするようになってしまった。

元々難しかった操作が更に難しくなっている。

私が操作をしている間、離脱したプレイヤーはオタクっぽい話し方で私を煽っていた。

行き止まりに当たれば「あ、行き止まりですねぇ ちなみにすぐ後ろ敵いますけど?」「ちょっと攻撃受けてみてくださいよ 勇姿見届けるんで」等と笑いながら言う。

ゲーム内でキャラクターが死んでしまえばプレイヤーも死ぬ。離脱したプレイヤーは私が確実に死ぬだろうと見越して観戦を楽しんでいるようだ。


反抗的な気持ちを抱くのが面倒で、じゃあもう死ぬかと思いコントローラーを手放した。

するとおしゃれな八尺様は勝手に行動し始めた。

体こそ動かせないものの念動力を自在に操り、コインロッカーを倒したりベンチを空中で振り回して、ゾンビを軽々と殺していく。


離脱したプレイヤーと私は呆気に取られてその様子を見ていた。

「強っ」と思わず呟くと、離脱したプレイヤーは「俺ら存在意義ゼロっすね」と露骨に不機嫌そうに言った。

私は彼に言いたい事が色々あったがまとめるのも面倒で諦め「そうですね」と生返事をする。


その後はただただおしゃれな八尺様がゾンビを殲滅する様子を黙って観戦していた。