夢日記

自分用

084

チューリップの花束の絵を描いている。
たまたま入った花屋でワークショップのようなものに参加しているようだ。
店員さん達が先生をしており、あなたの絵には力が入りすぎ、力み過ぎている、と言う。
「あなた美術系の人でしょ これはデッサンや模写じゃないのよ」「描き込む事が目標じゃないの、抜け感を意識して」「モチーフと向き合っているんじゃないのよ、お花と向き合うの」と様々なアドバイスをくれる。
私はこのワークショップを楽しんでおり、先生達の言う事に律儀にリアクションを返していた。

ワークショップが終わり、お礼や感想の一環としてこんな場所で働いてみたいと口にするとあなたなら良いかもねと言ってくれた。
完成した絵の横に名前と年齢を書かされる。
周りの絵を見てみると、年齢が8や5など1桁ばかりで且つ異様に上手いので、自分の存在が場違いであった事を察して恥ずかしくなる。
店員さんが家に犬とか居たりする?と聞いてきた。
犬はいませんが猫が三匹います、と答えると急に冷めた態度になり「じゃあお家でお花育てられないじゃんねぇ」と店員さん同士で顔を見合わせている。「何しに来たの?」と誰かが言うのが聞こえた

使えないと判断されたようで、その後は追い出すように出口へ連れて行かれ店から出された。
ワークショップは無料だった。せめて何か買って行った方が良いんじゃないかと考えて店内に戻ったが、店員さん達が「あの子働きたいとか言ってたけど」「ないない!既に損失しか出してないじゃん ワークショップだけやって逃げ帰るなんて」とレジの向こうで話しているのがこちらに聞こえてくる。
追い出されたんだし、ここで働きたいだなんて本気で言った訳ないに決まってるじゃん、と幼稚な反抗心を抱く。





私は見知らぬ誰もいない家の床に座り込み、古い固定電話のような物を触っている。
どこにも繋がらないよう適当なボタンを押しては受話器を取り、誰かと電話をしているふりをする。
電話ごっこのような事をしているらしい。
意識が朦朧としており今はどんな奇妙な事をしても良いというような感覚があったが、ここが夢である事には気付いていないという不思議な状態だった。

ふと頭上から「すごいですね、もう数字が読めるんですか」と若い男性の声、「いやありゃ読めてる風にしてカッコつけてるだけだね 実のとこどこにも繋がってないのよ」とおじさんの声がした。乳幼児かなにかのように扱われている。
私は数字が読める事を示そうとして、聞いた事のある番号に適当に電話をかけた。
「はい、みやだいら法律事務所弁護士法人です」と受話器の向こうで人が喋り出す。サプリメントの販売をする会社にかけたつもりだったが違う所に繋がってしまった。
それをおじさんに聞かせようと途中でスピーカーにして顔を上げると壁が突然蠢き始め、大量の人間の顔が壁一面にびっしりと現れた。口と目が入れ替わっており、眼孔?口?から舌を突き出してべろべろと動かしている。
私はそれを見て叱られていると感じた。電話を本当にかけてしまった事で頭上の二人を怒らせたのかなと思い受話器を戻したが、弁護士は話し続けている。「ミブル帆船、網膜とコカトリス、管轄区域」と機械的にゆっくりとテスト音声のような調子で何かを読み上げている。
(起きてから気付いたが「Doki Doki Literature Club!」というゲームに出てくる文章の内の一つに酷似している)

弁護士の話を終わらせようと適当な番号を入力して違う場所に電話をかける。
すると今携わっている案件のディレクターをしている人に繋がった。反射的に「お世話になっております、〇〇です」と挨拶をする。
受話器の向こうで「あれっ?繋がっちゃったねっ 何でかけちゃったんだろっ?びっくりしたねー」「何か間違えちゃったの?」「ボタン適当に押したらね、たまたまかかっちゃったんだよね〜」と複数人がやはり私を幼児のように扱って話している。

もし本当に用があってかけていたらどうするつもりなんだ、と少しむっとしたが、実際適当にボタンを押したせいでこの人に電話が繋がってしまった事は事実だ。
私はこの時既に我に返っていた。なぜ電話ごっこのような幼稚な事をやっていたのか全く分からない。
壁も電話も家の様子も全てが変わり、私は何の変哲もない我が家のリビングの固定電話と向き合っている。
先程までの出来事は幻聴や幻覚か何かだったのか?精神をおかしくしたかと不安になる。
とりあえず謝りつつ、用事も無いのに電話をかけてしまった事についてどう説明するべきか目まぐるしく考えている。